第19章 Marry me !!
『…アッキー、相談のってくんね?』
こういう時、木兎はダメだ。
アイツは本能で動くから。
そんで、アッキーは、すごく頼りになる。
女心も、俺のことも、そして
エリちゃんみたいな
個性的な子のこともよくわかってる。
…なぜなら、木兎の嫁だから。
個性的な人間の扱いはお手の物だろ(笑)
『なに?どした?
多分、エリちゃんのことだろうけど。』
『そう…あのさ、コクられた。』
『…何か問題があるっけ?』
『イマイチ信じらんねーんだけど。』
『なんで?』
『だって、エリちゃんだぞ?
男、よりどりみどりだろ?
なんで俺なんだ?地味で平凡な、俺よ?
木兎は、まあ、アッキーの旦那だけどさ、
赤葦もいるじゃん。』
アッキーが、カラカラカラッと笑う。
『木葉君、自己評価、低すぎ!
光太郎はあんな人だしさ、
赤葦君は王子様でしょ。
むしろ世間一般から見たら
一番モテていいのは木葉君だよ。
あの二人が、ちょっと特殊なんだって。』
『…そうか?』
『うん。ねぇ、エリちゃんのこと、嫌い?』
『嫌いなわけねーじゃん。
恐れ多いくらいだっつーの。』
『じゃ、なんで迷うの?美人だから?
ナイスバディだから信用できない?』
『…うん、そーだな。』
『それって、失礼じゃない?
美人でナイスバディだと、みんな
尻軽で浮気するって思ってる?
それ、見た目、関係ないでしょ?』
『そーだけど。俺なんかで満足できんのか?』
『大袈裟に考えすぎ!
あたしが男だったら、いずれ別れてもいいから
一度はエリちゃんみたいな子とつきあってみたい!』
『俺の手に負えるかな?』
『だーいじょぶ(笑)
光太郎に比べたら、エリちゃんの方が
常識人だってば!』
『そっか…木兎と友達やってんだから…』
『エリちゃんとつきあえない訳がない!』
…変なところで木兎が役に立った(笑)
『いいこと、教えてあげよっか?
光太郎が最初に海でエリちゃんを
ナンパした時から、エリちゃんは
木葉君に一目惚れしてたんだってさ。』
『マジ?なんで?』
『さぁ…たまたまタイプだったんじゃない?
一目惚れに理由なんかないもん。』
…なぜだか俺まで
いい男になったような気がしてしまう…