第19章 Marry me !!
『…ぁ …あ…ン…もっと…ン…ソコ…
ソコが…ぃぃ…うぅっ…ステキ…
あき、のり、クン…ぃやぁぁぁん…
そんな、も、う…ダメェッッ…』
声も動きも積極的な彼女。
名前呼ばれて、こんなに悶えられると、
なんか、自分がすっげーエロくて
女をイカせるテクニシャンみたいに
錯覚してしまう。
ハァハァ、と荒れた息。
『…ゆうべも、こうだった?』
『うん、すっごくステキで。
私、もう、絶対、木葉君とつきあいたい。』
『…決め手は、セックス?』
『(笑)それもあるけど。
木葉君、自己評価、低すぎ。
すご〜く、いい男なのに。』
…なんでだ?
『でも、木兎の方がタイプだろ?』
『昨日もそうやって言ってたけど、なんで?
コータロー君はアッキーの旦那さん。
仮にそうじゃなくても、友達、だな。』
…じゃ、なんで、俺?
『私を見た目で判断しないし、』
…ま、どっちかっていうと
その見た目に怖じ気づいてるけどな、
食われそうだ、って。
…もう、食べちまったけど(笑)
『エラそうじゃないし、』
…実際、エラくねえし(笑)
『ちゃんと怒ってくれるし、』
…そりゃ、
あんな酔っ払いっぷり見たら注意するだろ。
世話焼きは、木兎で慣れてるし(笑)
『ハンサムだし、』
…ま、好みは好き好きだろうけど。
『その他、もろもろ。』
…告白すんのに、略すな!
『で、身体の相性を確認した結果、
これも、私はあなたに夢中、と
いうことになりました!』
…それは、俺も、同じだな。
『…ということで、私の気持ちは伝えたから!
あとは木葉君、じっくり考えてみて。
返事、待ってる。あ、振るにしても
遠慮しないでね。ハッキリ言っていいよ、
その方が、この先も友達でいられるから。』
…俺次第、なのか?
こんな贅沢な選択、俺が決めていいのか?
俺の首に両手をまわして
頬と唇にキスをしてきた彼女は
サッとベッドから起き上がると
手早く身支度を整えた。
仕事に間に合うように、らしい。
ダラダラと甘えない。
引き際の潔さ。
切り替えの速さ。
選択権は男に預ける賢さ。
そして
『じゃ、私、行くわね。
これ、お金、半分づつ。
強引に誘ったの、私だから。』
このアッサリした大人の態度。
そしてもちろん、文句なしの見た目。
…断る理由なんて、ひとつもない。
ない、んだけど。