第19章 Marry me !!
ええと、ゆうべは…
木兎の試合を見に行った。
日頃はバカが取り柄?!みたいな木兎だけど、
バレーを始めると、コイツはすごい。
何がすごいって、
バレーを知ってる俺みたいなのでも
全然バレーを知らない
エリちゃんみたいな人も
惹き付けてしまうところだ。
エリちゃんは、
バレー観戦は初めてだったらしい。
でも、案の定、
アッキーと超盛り上がって応援してて
俺はその姿をひとつ後ろの席から見ながら
『木兎って、やっぱ、スゲー。
奥さんをこんなに幸せそうな顔に
してやれるって、マジ、かっこいい。
エリちゃんみたいなタイプは
断然、木兎みたいな男に
惹かれるんだろーなー、
なんか、ノリが似てるもんな…
…俺は、彼女が出来たら(今、フリー)
こんなに誇らしい顔、させてやれるかなぁ』
なんてボンヤリ考えてて…
その後は?
ええと、その後は、
あ、四人で飯食いに行ったな。
…うん、そこまでは
色っぽい展開は全くなかったぞ。
その先だ。
『コータロー君、カッコよかった!
ただのチャラいヤツじゃないんだね!
ホントにアスリートだったってわかった。』
『だろ?おれ、カッコいいだろーっ?!
褒めて褒めて~っ、もっと褒めて~っ!』
…と、
木兎とエリちゃんがノリノリで
酔っぱらって、
木兎を引っ張って帰るアッキーに
『木葉君、エリちゃんのこと頼んでいい?』
と言われて、
"断れねーだろ、この状態じゃ"と
思いながら、とりあえず
『エリちゃん、帰ろ。何線?』
って言いながらひっぱって店を出て…
ん、
この先だな、
この先に、
何かがあった気がする。