第19章 Marry me !!
ま、そもそも
男はよりどりみどりであろう彼女。
俺が心配しなくても、
"アッキーの旦那の友達"くらいしか
覚えてもいないだろ。
そう思えば、
わざわざ意識しないようにするのも
もったいない…いや、失礼な話、で。
ガン見は出来ねーけどさ。
たまにはチラッと胸元見えたり、
キュッと細い足首見たり、
ツヤツヤの唇見たりして
蜂蜜みたいな
甘くてまったりした気持ちを味わうのは、
嫌いじゃねーよ、
俺も、健全な20代男子、だから。
そう、
気持ちを味わうだけでも
充分、楽しい。
甘くて、まったりした、
気持ちを…
あれ?
この柔らかな、ムニムニとした
世間一般で言う"おっぱい"が
(しかも、"生おっぱい"が!)
目の前にあるのは、なぜだ?
これは…夢か?
し、しかし、
そこらに散らかった
ティッシュは何だ?!
そもそも、ここはどこだ?!
…いや、どう見ても、ラブホだ。
そっと…
そっと、布団のなかを覗いてみる。
Oh,my god!
ちょっと待て、
全裸だ!
俺だけじゃない。
二人とも。
落ち着け、俺。
夕べを思い出すんだ。
何があったっけ?
何でこうなってる?
勇気を出して
散らかったティッシュの1つを
開いてみる。
薄ピンク色の細長いゴム。
キチンと結んである。
中に…白い液体が、タプタプと。
これ、使ったの、誰だ?
木兎?赤葦?
…のはず、ねぇよな…
俺、だろ、どー考えても。
ええと、
ええと、
俺は彼女を食べたのか?
それとも、俺が食べられたのか?
恐々、彼女の顔を見る。
寝てる。
泣いたり怒ったり暴れたり
した形跡は…
よかった、
とりあえず、なさそうだ。
ていうか、むしろ、
…すごく幸せそうな寝顔で、
俺に寄り添うように、こっちを向いて
膝を"く"の字に折り曲げて。
キレイで、…かわいい。
もしこれが"彼女"だったら、
今、俺は間違いなく、
キスして、胸を揉んで、
目を覚まさせて、
もう一戦、おっ始めるんだけど…
とりあえず、
昨日のことを思い出したくて、
目をつぶった。