第19章 Marry me !!
酔っぱらったエリちゃんは
ものすごく色っぽく、
でも、
水っぽいセクシーさというより
健康的に陽気になって、
魅力的だった。
鞄を振り回しながら
笑ったりスキップしたりする姿は
…なんだろ、
外国の雑誌のモデルみたいで、
背も高いし、目立つ。
そばにいると、
俺も注目されそうで
少し離れたところから
見守りつつ歩く。
…駅まで送れば大丈夫だろうか?
この状態で、家まで帰れるか?
駅から遠い?
アッキーに聞いてみっか?
スマホを取り出すために
目を離したのはほんの一瞬。
次に顔をあげた時には、
エリちゃんは
酔っぱらい…サラリーマンじゃなさそうな、
ちょっと面倒くさそうなヤツラ…に
とり囲まれていた。
声は聞こえないけど、
『おねーちゃん、美人だねぇ』
『一人?俺達と、飲み行かない?』
『どっか、お店勤めてんの?
ボトル入れるからさ、連れてってよ。』
…って感じだろう。
…むむ、やべぇぞ、
エリちゃん、そいつらに噛みつくなよ、
暴れたりひっぱたいたりしたら
面倒くせーぞ。
思わず駆け出す。
引っ張って走って逃げ切れるか?
『エリちゃん!』
『秋紀!』
…あきのり?
あれ?呼び捨て?!
…彼氏っていう設定?
じゃ、俺も呼び捨てにした方が
いいってこと?
『エリ…』
ちょっとテレる。こんな時なのに。
彼氏のふり、ちょっと、嬉しい…
『あ、の、待たせてごめん!』
彼女は、囲んでいる男たちに
『ね、彼氏とデート中って言ったでしょ。
だから、お兄さん達とは、今日はダメ。
また、ご縁があったらね、Bye!』
…あれ、男たち、手懐けてね?
『残念だなぁ、
彼氏に振られたら、俺の相手、して。
姉ちゃん、名前だけでも教えてよ。』
『あたし?エリ。』
『覚えとくな、エリちゃん。』
『忘れていいよ~、フラれないもん(笑)
行こ、秋紀。じゃあね、お兄さん達も
飲み過ぎ注意、ってことで。』
腕を組んで…組まれて?歩き出す。
『エリちゃ~ん、またなっ!』
『もう、会わないってばぁ(笑)』
…うん、そんで、
二人で恋人同士みたいに歩いて…
その先だ。
俺達が今、全裸の秘密はその先だ。
えぇと…
そこまで考えた時、
プニッ。
頬に、刺激。