第18章 誓いの言葉
手を繋いで入った部屋は…
シックで、アジアンテイストの
リゾートホテルみたいな内装だった。
『なんだか木兎さんっぽくなくない?
私のイメージと違って、ちょっとビックリ。』
『奥さんの好みだろうね。
木兎さんはもっと、派手、っていうか、
ギラギラキラキラしてるような方が好きだと思う。
…ちょっとワクワクするような遊園地的な。』
二人で思わず笑ってしまう。
『…奥さんと、
ここでデートしてるって言ってたね。』
『木兎さん、ああ見えて、
奥さんのこと大好きだから。
喜ばせたくてたまんないんだろな。』
『ステキだよね。
木兎さんとこも、木葉さんとこも。
私、大好き。憧れる。』
『…憧れ、じゃなくて。
俺らもそう言ってもらえるようになるんだよ、
今から、二人でさ。』
今から。二人で。
なんてことないこの言葉が
泣けるほど嬉しいのは、
3年という時間のおかげ。
同じ未来を見て生きていける。
他の誰でもなく、京治さんと。
昨日までは、思いもしなかった。
京治さんが隣にいるだけで
未来が、楽しみで仕方ない。
これまでのことを思い出す。
いつも幸せと切なさがセットだった。
『…こんなに幸せでいいのかな?』
私が呟くと、
京治さんが答える。
『俺も、同じ事、思った。』
…抱き締められる。
少し細くなったけど、
逞しさを増したようでもある体。
…むこうにいる間…
たくさん、女の人、抱いたのかな。
体だけじゃなくて、
心も相性よかった人もいた?
聞きたいけど、聞けないな…
そう思ったときに、
『小春、』
京治さんが口を開く。
『…いない間、他の男に抱かれた?
俺以外の男のことも、ちゃんと見た?
…その上で、俺のこと、選んでくれた?』