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ウェディングプランナー(R18) Hi-Q

第18章 誓いの言葉



気を取り直して(笑)
式は続きます。

『続いて、結婚誓約書にサインです。』

『あーっ!それなんだけどさ、』

『もうっっ、光太郎っっっ!
ちょっと静かにしてっ!!!』

『あのさ、』

木葉さんが立ち上がります。

『俺達、これ、預かってきたんだ。』

木葉さんが茶封筒から取り出したのは
1枚の婚姻届。
それを目にした赤葦様と小春さんは
目を見開いて驚いていらっしゃいます。

『…これ…』

証人の欄に、
赤葦家のお父様、小春さんのお父様、
それぞれ直筆の署名が入ったもの。

『あかーしの親父さんが、
四国の小春ちゃんの実家まで行って、
挨拶して書いてもらったんだって。

年頃の娘さんを待たせてすみません、
必ず幸せにさせますから、って。』

『…社長?でも社長は、私達を別れさせて、
京治さんに会社を継いでもらいたい、って…』

『社長としての立場だとね。
でもそのサインはきっと、
“赤葦建設の社長”じゃなくて、
“赤葦京治の父親”としての気持ちなんだと思うよ。』

『…』

『お二人、どうぞ
ご自分のお名前、記入して下さい。
京治さんから。』

しばらくじっとお父様の文字を見ていた
京治さんが、ご自分の名前を書き込み、

『続いて、小春さん、』

こちらも、
しばらくの無言の後、
丁寧にお名前を記入されました。

『あとは…指輪、ありますか?』

『とりあえずのものだけど…』

買ったばかりの指輪を
お互いの左手の薬指に送り、
小さな結婚式は、無事、終了。

そのあとの記念撮影では、
最後の一枚に夜久君と私も
仲間に入れてもらいました

ドレスもないし、
ご家族もいない、
突然の、それも、仮の結婚式。

でも、

仲間の祝福や
ご家族の秘めた思い、
そして、
3年の間、
自分を見つめ続けた経験のなかで
お互いがいかに大切な存在かを
改めて実感した
お二人の愛情。

それさえあれば、
結婚式は、充分です。

小春さんのブーケは
エリさんへと手渡され、
幸せへの感謝と願いをバトンタッチして
皆さんはチャペルを後にされました。



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