第5章 ヴァージンロード~月の道~
唇を離すと、すぐに耳元で囁く。
『彼氏、いるの?』
『い、いない…』
『だよね。
いたら、こんな風に、男の家で
呑気に飲みながら鍋なんてしないよね。』
『け、蛍は特別だから。』
『特別って?
兄ちゃんの弟だから、
特別に世話してくれるの?』
『そ、そうだよ。』
『じゃ、こっから先も、
特別に世話してくれるよね?』
『…お鍋、焦げちゃう…』
カチッ。
蛍が、黙ってカセットコンロの火を消す。
『これで、断る理由、ないね。』
私の右手をつかむと、
蛍の股間にあてがう。
『わかるデショ。これ、どーにかして。』