第18章 誓いの言葉
あちこち散策して、
たくさんしゃべって笑って、
ふざけた写真もいっぱい撮って、
温泉にもたっぷり浸かって、
おいしいご飯も食べて、
地元のお酒をのんで…
『どれ、そろそろ寝るかぁ。』
それぞれの部屋に戻ろうとした時、
『おい、あかーしっっっ!』
木兎さんが京治さんを指差して言った。
『なんですか?』
『お前、今夜、
膝枕とかいって即寝したりしたら、
俺が許さねぇぞ!
せっかく温泉宿に泊まるんだ。
寝るのは帰りの新幹線でいいから、
今夜は絶対、
小春ちゃんが意識がなくなるまで、イかせろ!』
『木兎さん、声が大きい…』
『声?声なんか、
これからお前、いっぱい聞かせるぞ。
うちだって朝までコースだからなっ!!』
…木兎さん、飲み過ぎた?
奥さんは慣れた顔でニコニコ。
『心配しないで下さい。
言われなくてもそのつもりですから。
…うちの声が大きくて寝られなくても
文句言わないで下さいよ。』
…ちょ、ちょっと、京治さんまで?!
『秋紀、うちも負けないでね♥』
『ばか、何でこいつらと、
そんなこと競わなきゃなんねーんだよ!』
『んふ、大丈夫。
あたしが秋紀を、ね・か・せ・な・い💕』
…ひゃー!
やっぱりエリさん、かっこいい!
『ぜってー、負けねぇっ!』
負けず嫌いの木兎さんは
なぜか
右腕をブンブン振り回しながら
左手で奥さんの肩を抱いて
右隣の部屋に入っていった。
木葉さんとエリさんは
私達の左隣の部屋。
『おやすみ~、小春ちゃん。』
『朝までじゃなくてもいいからさ、
たっぷり、愛し合いな。
幸い、お前んとこの部屋、俺らの真ん中だから。
少々騒いだって、聴いてんのは俺らだけだし。
遠慮なんかいらねーよ。』
俺らだけ、って…
知り合いにアノ声、聞かれるなんて、
想像しただけで…(//∇//)
…最後の最後までそんな話をしながら
みんな、それぞれのパートナーと
部屋へ消えていく。
『…おいで、小春。』
…部屋に入るだけなのに。
京治さんの声で
『おいで、小春』と言われただけで、
もう、キュンと…ジュンと、する。
…膝枕、してあげたいけど…
でも、やっぱり今夜は
朝まで、寝させないでほしいな、京治さん…
そんな気持ちで、
繋いだ手をぎゅっと握りしめた。