第18章 誓いの言葉
その夜、
早速みんなで宿をネットで予約して
翌日、朝から6人で新幹線に乗った。
東京から新幹線で二時間ほどの
温泉地。
…外で、陽の当たるところで
京治さんとデートするのは初めてで、
木葉さんが、昨日、
命令(笑)してくれたとおり、
京治さんはずっと、手を繋いでてくれた。
…思う。
もちろん、私を大切にしてくれてるから、
というのもあるんだろうけど、
京治さん自身も、こうやって
誰かと手を繋いでいたいんじゃないか
…って。
今まで信じてなかった
"無条件の愛"を、
今、私の手のひらを通して
充電してるんじゃないか、って。
だから、私からも手を伸ばす。
誰だって、
愛されてるっていう実感がほしい。
私も。京治さんも。
手のひらを通して伝わる、
セックスとは違う安心感。
それだけで…潤う。
心も。身体も。
気がついたら、
木兎さん達も木葉さん達も
手を繋いでいた。
『なんか、手を繋いでデートって
しんせ~ん!秋紀、なかなか外で
手、繋いでくんないのに。嬉しいなぁ。』
『だって、
木兎んとこもあかーしんとこも
繋いでるからさ、うちだけ繋がない
わけにいかねーじゃん。』
『木葉さん…
俺に手を繋げって命令したの、
木葉さんですからね。』
『へいへい。だから、繋いでるだろ!』
一番付き合いが長くて
唯一の既婚者、木兎さんところも
手を繋いだり、
腕を組んだり、
肩を抱いたり、と、
密着度はハンパない。
『木兎さん、どーしてそんなに
仲良くしてられるんですか?』
『え?プロポーズの時、約束したから。
ドキドキしながら生きて行こうぜ、って。
人生、楽しまなくちゃ、損だろ?!』
…シンプルな答えが、木兎さんらしい。
不思議だ。
幸せそうな人を見てると
真似したくなる。
楽しまなくちゃ損、な気がしてくる。
…京治さんがいなくなってから、
どうやって暮らしていこう…
それを考えると辛くてしょうがないけど、
まだ起きてないつらいことを想像したって
しょうがない。
まず、今日をいっぱい楽しもう!
そんな気持ちになれたのは、
やっぱり、木兎さんのエネルギーと
木葉さんの優しさのおかげだと思う。