第18章 誓いの言葉
サウナやマッサージで
三時間はあっという間に過ぎ、
ホヤホヤに茹で上がった顔で
私達は集合した。
デート、というには
ほとんど別行動だったけど(笑)
"木葉さんの隠れ家"以外で見る
京治さんの寛いだ笑顔が
すごく、嬉しくて。
でも、
『俺、このまま電車で帰るんで、
小春を送ってもらっていいですか?』
…もう、帰るのね…
『じゃあ…小春、
俺も出来るだけ顔だすから、
とにかく気を付けて。』
歩きだそうとする京治さんを
木葉さんがグイッと引き留める。
『お前、そんな
業務連絡みたいな挨拶、あるかよ。
なかなか会えないんだから、
もっと、こう、ほら、"愛情注入"
みたいな感じにしねーと。
小春ちゃん、物足りなくて浮気するぞ?!』
『え、あたし?!浮気、しませんっっ。』
『ダメダメ。ほら、こんな感じで。
エリ、来いよ。』
木葉さんとエリさんは、
まるで外国人のカップルみたいに
ギュッと抱き合って、頬にchu❤と…
キスをした。
(///∇///)
派手なお二人、似合いますね…
しかし、それは私達にはちょっと、
まだハードルが高いです…
と思ったら、
京治さんがグッと私の手を引き、
軽く抱き締めて、
『俺の、小春。』
耳元で聞こえた言葉は、幻聴でしょうか…
私、鼻血、出てませんか…?
『おい、キスが足りねーぞー。』
ニヤニヤする木葉さん。
『ここでキスしたら、小春がぶっ倒れます。』
エリさんに寄りかかって
やっと立っている私に手を振り、
木葉さんとエリさんに軽く頭を下げて、
京治さんの後ろ姿は人混みに消えていく。
『小春ちゃん、
なかなか普通のカップルみたいには
いかないだろうけどさ、』
木葉さんが、私に向かって言う。
『あいつ、ホントに
小春ちゃんのこと好きだから。
わかってやって。待っててやって。』
『そうだよー、あの赤葦君が
人前でハグしてくれるなんて!!
小春ちゃん、幸せ者っ!!』
エリさんも、
私の肩をちょんちょんとつつく。
…ありがとう、という言葉しか思い浮かばない。
京治さん、木葉さん、エリさん、ありがとう。
私も、みんなのことが、大スキ。