第18章 誓いの言葉
"好き"だけでは決められない恋。
自分達以外の多くの人生までかかった恋。
覚悟はしていたけど、
あまりの重さに気持ちが揺らぐ。
京治さんは、いつもこんな想いを
一人で抱えてきたのかと思うと、
やっぱり
そばにいてあげたいと思ってしまうし、
そもそも私がそばにいなければ、
京治さんだって
こんな悩みはないのか、と思うと、
そばにいるのが申し訳なく思えてくる。
…こんな時に、
絶妙なタイミングで声をかけてくる人、
といえば、
そう、"もってる男"彼からの着信。
『ヘイヘイ、小春ちゃん、花火しない?
今日は女子もいるよ~✨』
闇夜に陽が昇るような明るい声、木兎さん。
"木葉さんの隠れ家"に行くと、
そこには、木兎さんの奥さんと、
木葉さんの彼女のエリさんがいた。
『小春ちゃん、初めまして!』
『話は聞いてるから、
役にたてることがあったら声かけてね。
赤葦君には二人ともお世話になってるし。
私達、味方だからっ。』
社内の誰もが敵に見えていた今日、
こんな人達と出逢えると、救われる…
五人でわぁわぁ言いながら庭で花火をし、
その後、リビングで雑談。
…今日の出来事を、話してみた。
『うわぁ、早速きたかぁ。』
『厳しいねぇ…』
『でもさ、あかーしには想定内だったんじゃね?
だから、あんな格好いいこと言ったんだって。』
『なになに、あかーし君、なんて言ったの?』
『"何があっても俺のことを諦めないでほしい。
小春以外の女はいらない"』
『うわー、コータローが言うとキモいけど
王子様みたいなあかーし君が言うと』
『ウットリするんだろうねぇ♥』
『こらこら、女子たち!
ここにいない男にトキメクな(笑)』
『な、その王子様は?ここ呼べよ。』
木葉さんがLINEすると、
すぐに返事が帰って来た。
"出張で北海道にいます。
小春に何かありましたか?"
"いや…5人で花火してっから、
誘おうかと思ったんだけど。"
"東京戻ったら会おう、って
小春に伝えてください。"
"りょ。土産は、カニとメロンと
じゃがいもとトウモロコシな。"
"重いものばっかじゃないですか。
スルメイカと昆布にします。"
"せめてウニ"
"瓶詰めなら。"
…普通の仲間同士の会話が羨ましい…