第18章 誓いの言葉
『すんません、力を貸してください。』
『俺ら、何が出来る?』
『小春を…お願いします。
俺と小春は、直接連絡とらないほうがいい。
だから、お二人を経由させて下さい。
多分、俺のせいでこれからいっぱい、
小春に辛い思いさせる。
だから…支えてやって欲しいんです。』
『俺、小春ちゃんのボディーガード!』
『木兎さん、頼りにしてます。
でも、無駄に小春に触らないで下さい。』
『当たり前だろ、俺、妻帯者だぞ。』
『分かってても本能が先に働くのが
木兎さんだから心配なんです。』
なんだよー、それ。
…と、膨れてみせる木兎さん。
木兎さんがいると、ホント、場がなごむ。
『会うときは、ここ使えや。
特別に、ラブホ的使用も許す。
でも、ゴムは持参な。
あれは俺のお気に入りだからっ。』
『ありがとうございます。
さっき、一個、借りました。』
『それは、返さなくてよし。
膝枕卒業記念のプレゼント(笑)』
『な、相談相手とか、
女の方がいいこともあんだろ?
うちの嫁とか木葉の彼女とか、口が固いから。
遠慮なく言えよ、小春ちゃん。』
…ホントの兄弟のように、
温かく支えてくれる二人。
京治さんが、
家や家族や自分の立場を気にせず、
普通の高校生らしく過ごせた3年間を、
いかに大切に思ってきたか、わかる。
そして…
京治さんは、私の方を向いた。
『小春、
もしもこの先、誰かが邪魔をしてきたり
余計なことを耳にしたり、立場を利用して
嫌がらせされたりするかもしれないけど…』
…そんなことも、あるかもなのね…
『絶対に、俺のことを諦めないで欲しい。
俺、小春以外の女は、いらないから。』
『そうだよ、小春ちゃん。
もう、止めらんねーから。
小春ちゃん一人の力で
どうにか出来ることなんて、1つもねーよ。
だから、俺達を、あかーしを、信じて、さ。』
…大変な恋を、してしまったらしい。
だけど、木葉さんの言う通り、
好きになってしまったこの気持ちを
止めることは、できない。
私に出来ることは、
信じること。諦めないこと。
つまり、
京治さんを好きでい続けること。
それなら、できる。
…それしか、できない。
こうして、
私達の恋は
動き始めた。