第18章 誓いの言葉
…それほど時間がたったわけではないと思う。
ぼんやり聞こえる、京治さんの声。
私の髪を撫でながら、
あのかわいい電話で
上半身裸のまま、木葉さんと話している。
『木兎さんも、起きてます?
…じゃ、今からそっち行きます。…はい。』
チン、っと受話器を置く音。
『…京治さん…』
『あ、起こした?ごめん。』
『いえ…』
『小春、今から一緒に下に行こう。
小春も関係ある話だから。』
『…でも、』
『何?』
『恥ずかしいです…今、抱かれてたの、
木葉さんたち、知ってるんでしょ?』
フッと笑う京治さん。この笑顔、好き…
『いいじゃん。膝枕、卒業報告。』
…今の今まで
セックスしていたと知られている人に
どんな顔をして会えばいいかわからないけど、
私も関係ある話だと言われれば
行った方がいいよね…と
急いで散らかった服を着る。
京治さんは、
部屋を出るときからずっと手を握っててくれた。
二人が待ってる部屋に入る時も。
クールだと思っていた京治さんの
そうでない部分を
今日はたくさん知る日だな…。
『よっ、ご両人っ!』
木兎さんが、大きな声で言う。
『あーあー、派手にやったなぁ、あかーしっ!』
『だからほどほどにしとけって言ったのに。
言うこと聞かねーから。』
え?
『小春ちゃん、明日からしばらく、
服装、気を付けな~っ。』
ん?
『あちこち見えすぎ、キスマーク!』
はっ…
首筋にも二の腕にも胸元にも…
気づくと途端に恥ずかしくなる。
ニヤニヤ笑う二人を尻目に
京治さんは私の手を繋いだまま
椅子に腰かけると、頭を下げた。
『…いろいろ、心配かけてすんません。』
…そういえば。
京治さんが、木葉さんや木兎さんと話す姿、
初めて見る。
『いーじゃん、俺は嬉しいよ、
あかーしがやっと膝枕、卒業できて。
いつまでもヤラねーからさ、
もう俺は、お前のが
ストレスかなんかで、
勃たなくなったんじゃねーかと
まじで心配してだな…』
『木兎さんみたいに、
とりあえずヤッちゃえ、って人に
言われたくないですね。
俺には、節度ってもんがありますから。』
『こら、お前ら、露骨すぎ。
小春ちゃん、ドン引きしてる。』
…みんな、かわいい。
高校生みたい(笑)