第18章 誓いの言葉
『ね、小春ちゃん、あかーしのこと、どう思う?』
『…まだよく知らないのに、
すごく、好きな気がしてます。
なんか、笑われそうだけど…
王子様、みたいな。』
クククッ、と、木葉さんは笑った。
『王子様かぁ(笑)
だな、あいつ、王子様よ、ホント。
すっげー、いいヤツで、出来る男で、
育ちもよくて、礼儀正しくて、
ほら、見た目もあんなんじゃん?
でもさ、出来る男すぎて、
我慢強いのがアダなんだよねー。
空気、読みすぎ。
もっと自分に正直になればいいのに。
…っつーか、それは俺らにも責任あって。
俺らが自由にやりすぎてたから、
あかーしが自分をひっこめて、
俺らの後ろに控えてる癖がついた?みたいな。』
何が言いたいんだろ?
私がそう思ったのが、
木葉さんには伝わったみたいだ。
『あのさ、』
急にマジメな顔になる木葉さん。
『あいつと付き合うって、大変よ?
親は、勝手に結婚相手考えてるだろうし、
もし付き合ってるってバレたら、
会社で小春ちゃんもいろいろ言われるはずだし。
そもそも、つきあうこと自体、
そう簡単には認められないだろーし。
そんでも二人が気持ちを貫き通すなら、』
木葉さんは、私の肩に手を置いた。
『俺ら、全面的に協力するから。
今まであかーしに世話になりすぎてて、
返したい恩がいっぱいあんだよね。
小春ちゃん、あかーしのこと、頼んだ。
あいつが自分から口説くって、
ホント、すげー、
止めらんねー気持ちなんだと思うから。』
…そう言って、木葉さんは、
自分の携帯番号を教えてくれた。
何かあったら、かけておいで、って。
…気がつけば私は、木葉さんと
気兼ねなく話せるようになっている。
京治さんと木葉さん。
心から信頼しあってるのが
自然と伝わってくる。
こんな友達がいる人だ。
間違いない。
京治さんは、信頼できる。
京治さんより、木葉さんと話した時間の方が
今のところ、長い気がするけど(笑)
…その木葉さんが言った、
『あいつと付き合うって、大変よ。』
という言葉の本当の意味は、
まだこの時、私は、
よくわかっていなかった。