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ウェディングプランナー(R18) Hi-Q

第17章 ジューンブライド ~クリスタルウェディング~



私の43才の誕生日。
中学生の息子と小学生の娘を
一鉄さんのご両親に預け、
二人で食事に出掛けた。

『あら、ここ!久しぶり…』

『アキさんは、久しぶりでしょ?
僕はここで、たくさん、教え子達の
結婚式に出て来ましたからね。』

彼がつれてきてくれたのは、
私達が結婚報告会をした、あのレストラン。
今では宿泊施設やチャペルも備えた
県内でも有数の結婚式場になっている。

『彼らの晴れ姿を見るたびに、
アキさんと出会った頃のことや
ここでの結婚パーティーのことを
思い出してたんですよ。

…いつか、アキさんと二人で、
またここに来たいなぁって。』

結婚して15年。
いろんなことがあったはずなのに、
覚えてるのは、楽しかったことばかり。
それは、
どんな時も変わらない優しさと誠実さで
私と向き合い、家族の中心にいてくれた
一鉄さんのお陰で…

レストランで食事をした後、
海辺を散歩する。
日が暮れた空に、大きな満月。
島と島を結び、
凪の海に、輝く月の道がかかっていた。

『結婚する前、
ここでデートしたことありましたね。』

『…私が前の彼と遭遇して。』

『ほっぺたひっぱたいて(笑)』

『安いドラマみたいな思い出…
恥ずかしい(笑)』

『…その日、初めてHしましたよね。』

『それもまた、漫画みたいな思い出で
一段と恥ずかしい(笑)』

『あれ以来、いろいろ教えてもらって』

『もう、やめて~(//∇//)』

『お陰で、子供も二人、授かったし。』

昨日のことのような。
でも、
ずっと昔のことのような。

この人と出会って、
この人を選んで、
この人に選ばれて、

歩いてきた道が、今日に繋がってる。

今になって、思う。
私の両親。
恨んだこともあったけど。

私が一鉄さんと出会えたのは、
お父さんとお母さんが出会って
私を生んでくれたお陰。

直接言えなくて、ごめんね。
でも、
生んでくれて、ありがとう。

こんな風に思える日が来るなんて…
思わなかった。


出会いは全て、
過去に繋がってる。

出会いは全て、
未来に繋がる。

…つくづく、そう思う。



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