第17章 ジューンブライド ~クリスタルウェディング~
『欲しそうな顔、してますね…』
プルン、と、口から飛び出すぺニス。
『挿れて欲しい、ですか?』
マコトとのことを見られていたという
思いもよらない爆弾を投げつけられて、
私の理性は、平常心を失っていた。
マコトではなく、武田さんのことが
一番大事だとわかってもらえるなら
何でもする。
『…挿れて、ほしいです。』
下からだと、表情がよくわからない…
『ハッキリ言うんですね。正直で、いい。』
頭をなでられる。
…よかった。笑顔だ…
『その前に、』
なんだろう?
武田さんの前にひざまづき、
見下ろされる私。
完全に主従関係ができあがった、
この位置関係。
『僕、今日まで何回か、
アキさんとこうなることを想像して
自分でシたんですけど…』
…自分でぺニスをゆっくり触っている、
その手つきが艶かしい。
『…アキさんは、どうですか?
僕とセックスすること、
一度も考えませんでした?』
…覚えてる。
初めてファミレスデートした日の夜、
武田さんのことを考えながら、
一人で、シた。
あの時、まさに、この質問を想像した…
『一人でシたり、するんですか?』
とかって、聞かれてみたい、って。
…理想的な展開、のはずなのに、
いざとなると、恥ずかしくて…
『もっとハッキリ聞いてほしいですか?
一人H、しましたか?してませんか?』
返事してる…口が、勝手に。
『…し、ました。』
ニッコリ。
あぁ、この笑顔に、飼い慣らされる…
『よかった。僕だけじゃなかった。
…指?それとも、何か使って?』
…まさかこの部屋の引き出しの中に
バイブ隠してる、なんて、言えない…
チラリとそっちを見た私の目の動きを
見逃さなかった武田さん。
振り向くと、
…ニッコリ…
あれ、この顔、違う。
ニッコリ、じゃなくて、ニヤリ、だ…
その顔を見て、私は、ゾクリ、とする。
恐怖、じゃなくて
興奮、の、ゾクリ…
『あの引き出しに…入ってるんですね。』
…ば、ばれた?!