第17章 ジューンブライド ~クリスタルウェディング~
涙が乾いた頃。
彼の表情が、少し、かわる。
今までの優しい顔から一転、
少し意地悪な表情をした武田さんは
私の上にまたがり、
見下ろしながら言った。
『先に聞いておきますけど…
どんなセックスが好きですか?』
…どんなセックス?
私が
武田さんに望むのは、
『…あの、』
言っていいのかな?
嫌われないかな?
ヒかないかな?
大丈夫かな?
『僕に遠慮は無用、って言いましたよね?
好きな人のことは、何でも知りたい。』
"嘘の自分で愛されるより、
本当の自分で嫌われる方が
気持ちいいではないか。"
あの言葉を思い出す。
『…言葉で、愛してほしいです。』
『…どんな言葉で?』
『いじわる、言って。』
『言葉攻め?』
『お願いします…』
『それじゃ、さっそく。』
ニヤリ。
『胸、どうしてほしいですか?』
指一本触れられることなく、
ただ空気に、言葉にさらされるだけで
もう固くなった頂。
はやく、はやく、触って、舐めて…
それ以外に、言葉なんて浮かばない。
『…触って、舐めて…』
『50点。言葉が足りません。』
…武田先生、厳しいです…
『このまま、視姦されてたい?』
…それは、イヤ…疼いて、たまらない…
『あの…』
『僕に遠慮は無用、って、言ったはずですけど。』
…じゃ、言いますよ?
変態、とかって思わないで下さいね…
『胸、下から揉みながら、
音たててしゃぶられると、感じます…』
優しく、ニヤリ。
『仰せのままに。』
一度に両方を揉みしだきながら、
片方づつ、てっぺんを、舌で愛撫される。
舌の音が…
武田さんの息づかいが…
私のこらえきれない喘ぎが…
全部がまざりあったイヤラしい響きで
部屋の中が途端に暑くなってくる。
ジワリと汗がにじむ肌。
突然すべての動きが止まり、
武田さんの体が離れる。
エアコンを入れてくれるのかと思ったら
窓を開けられた。
『窓じゃ、ダメです…』
『どうしてですか?』
『声が、外に…』
『声、出さなければいいですよね?』
『そんなの…ムリ…』
『ムリですか?』
出た。
あの、天使のような、笑顔。
そう、
私をエロの国の住人にしてしまう?!
悪魔の魔法がかかった笑顔…
からの~…
『ムリかどうか、やってみましょう。』
…ムリだってばぁ(涙)