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ウェディングプランナー(R18) Hi-Q

第17章 ジューンブライド ~クリスタルウェディング~



それなのに。

『ねぇ早瀬さん。次に進んでもいいですか?』

…って。
名前、呼んでほしいのに。
もちろん、次に進んでほしいのに。

わかってもらいたくて、
思いきり熱い目線で気持ちを送る。

『なんですか?』

もうっ…もうっ!
言わせるの?言わなきゃダメなの?!

『…いってつさん、お願い。
私のことも、名前で、呼んで下さい…』

『わかりました。
…アキさん、次に進んでいいですか?』

…さん、は残るのね…

『はい。』

『次って、何を想像してます?』

『…脱がされて、愛されること…』

『そうしてもらいたいんですね、いいですよ。』

シャツに手をかけた武田さん。
荒々しく、かと思ったら、
突然、抱き締められる。

『傷…隠さないで下さいね。
アキさんを全部、知りたいから。
…約束してください。そしたら、脱がせます。』

この優しさがある限り、
武田さんのSは、私には甘い、S。

SugarのS、と同じ事。

甘くて、ほろ苦い、私だけの、S。

『約束します。どこも、隠しません。
だから、脱がせて、愛して…』

『じゃぁ、』

グッと手を引かれて、
寝室へ連れていかれる。

…さっき、私がシーツをかけに行ったから、
そこが寝室だと、迷いなく扉を開ける武田さん。

ベッドの前に立たされる。

『どっちから、脱ぎたいですか?上?下?』

『…上…』

ジェラピの柔らかいシャツをめくりあげ、
頭を脱がされると、
両手はそのまま、ベッドにそっと倒される。

『手が…まだ…』

『そのまま。僕が、あとで脱がせますから。』

両手を絡めとられたまま、
体の傷ひとつひとつに、
優しいキスをおとされる。

『…よく、耐えてきましたね。
あなたは、強い。
この傷一つ一つが、その証明ですよ。』

涙がこぼれる。

今までは
『うわ、痛そっ!』『ひっでー親だなぁ』
なんて言われることがほとんどだった。
『ロウソクプレイでもしたんじゃねーの?』
なんて、言われたこともある。

『よく、耐えてきましたね。』
そんな優しい言葉を言われたら…

手が使えないから、涙が拭えない。
こぼれる滴に気付いた武田さんは、

『強い人の涙は、美しいですね。』

そう言って、
泣き止むまでいつまでも、
私の涙を拭ってくれた。





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