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ウェディングプランナー(R18) Hi-Q

第17章 ジューンブライド ~クリスタルウェディング~



…シンプルだけど男らしい告白。
草食系に見える分、そのギャップが
ますます魅力的で…

不思議。
全然好みじゃないと思っていたのに、
今、すごく、カッコよく見える。
この気持ちを伝えたいのに、
言葉が見つからない。

『嬉しい…』

それだけが、やっと。

『僕も、嬉しいです。』

メガネの奥の三日月が
柔らかく、しなる。

…夜の空気に、
金色の粉が降り注いだみたい。

それは、私の、生きる気力、かも。

まだ誰かに必要とされてる。
もう一回、恋が出来る。
今度は、条件じゃない。
心の底から、気持ちで好きになった。
駆け引き、ナシ。
あるのは、止められない気持ちだけ。

そう思ったときに、

"キュルルルルル…"

お腹がなった…私の…
恥ずかしくて、顔から火が出そう…

『あれ、すみません。僕、腹ペコで(笑)
こんな時にお腹なるなんて、ねぇ。
ムードがない男で、もう、ほんとに。』

違う、
鳴ったのは、私のお腹、なのに。
私が恥ずかしくないように…
かばってくれた、の?

『もしよければ、このままちょっと、
食事につきあって頂けませんか?』

もちろん。断る理由がない。

『じゃぁ、付き合い始めの記念に
ちょっとシャレた所にしましょう、と
言いたいところですが…この服装では…』

ジャージの武田さんと、
デニムにサンダルの私。

『あの、私、行きたいお店があるんです。』

『どこですか。』

『この近所に、
ちっちゃな焼き鳥屋さんがあるんですけど、
一人では行きづらくて。
武田さん、ご一緒してもらえませんか?』

『僕の得意分野(笑)』

『近いから、車、うちにおいて
歩いて行きましょうよ。
武田さん、飲むでしょ?
…雨も、ほら、あがってるし。』

財布と携帯、
そして念のために傘を1本だけ持って、
ブラブラと歩いて出掛ける。

気取らないデートが
これほど楽しいとは知らなかった。

気に入られよう、とか
嫌われないように、とか
気が効くと思われよう、とか

そんな気持ちは一切なく。

ただ、楽しくて。


フォアグラのかけらより、
ゴロゴロのレバーが好き。

薄いトリュフより、
肉厚の椎茸が好き。

北京ダックより、
鶏皮タレが好き。

シャンパンより、ビール!
ワインより、日本酒!

そうよ、そう。
私、こっち側(笑)の女だった!


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