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ウェディングプランナー(R18) Hi-Q

第17章 ジューンブライド ~クリスタルウェディング~



静かで落ち着くコインランドリーは、
ずっと前から、私の好きな場所。

そこで彼との"偶然"を約束してからは
胸をときめかせて行く場所になった。

本当は、早く会いたい。
毎日、顔を出せば、会える確率はあがる。
だけど、
"偶然を楽しむ"と言った彼の言葉を信じ、
わざと、いつもと変わらないペースで
足を運ぶようにした。

ようやく会えたのは、
あの約束をしてから10日ほどたった夜。

ちょうどコインランドリーの前で、
一緒になった。

…ほら、やっぱり、小説みたいな再会…

なんでもない人となら
なんでもないことなのに。
特別な人となら、
特別な出来事に変わる。

『こんばんわ。』
『こんばんわ。』
『やっと、会えましたね。』
『ええ、本当に、やっと。』
『ところで、』

"お名前、聞いてませんでしたよね?"

二人の声が、ぴったり重なる。
そして、笑い声も。

『武田です。武田一鉄。』

『早瀬です。早瀬アキ』

…やっと、
知り合いとしてのスタートラインに立った
私たち。

その日は、コインランドリーのあと、
武田さんの車に乗せてもらって
近所のファミレスで食事をした。

初めてのデート(?!)が、ファミレス。
高校生のようで、笑える。
自分が、これで幸せを感じられるとは
思わなかった。

武田さんは、
チーズの入ったハンバーグ。
私は、
チキンのドリアにヨーグルトのパフェ。
それぞれ、ドリンクバーもつけて。

そんなおしゃれでも何でもない
ごく普通のメニューを挟んで、
私たちは初めて、自己紹介をした。

年齢は、
武田さんが27。
私は1つ下の26。

仕事は、
武田さんが、
高校の国語の先生になりたて。
私は、
コールセンターの派遣社員。

二人とも、趣味は読書。

二人とも、独り暮らし。

その他、
家族構成。
育った場所。
よく行く本屋。
好きな食べ物や
よく見るテレビ番組。
休みの日の過ごしかた。
…話題は尽きることがなく、
もう、ドリンクバーの飲み過ぎで
二人とも2回づつトイレに行った(笑)


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