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ウェディングプランナー(R18) Hi-Q

第16章 指輪




『私、二回目の結婚だから…』
というアキ姉の意見と

もう、年齢も年齢だし、
という俺の照れ、

そしてお互いの家族もよく知ってるから、

…ということで、
結婚式は挙げないことにした、

んだが。

西谷達が黙っていなかった。

『烏養さんを祝わないと、
俺達、気がすまないっす!』

…そういって、夏になる前、
ビーチレストランのデッキを貸し切り
バーベキュー兼ビアガーデンの
小さなパーティーを開いてくれた。

…自分達が飲みたいだけじゃねーのか?(笑)


西谷をはじめとする
地元組が幹事をかってでてくれて、

忙しいだろうプロ組も、
仕事終わりの東京組も、
バラバラと駆けつけてくれた。

もちろん、
さんざん相談に乗ってくれた
嶋田や滝ノ上率いる町内会チーム、
…山口と、その嫁さんも。

西谷と田中は、
例の『家庭円満Tシャツ』を着て
受付から何から、
細かく気を配ってくれている。

菅原は、大きなカメラをもって
写真撮影を担当してくれていて、

どこでどうやって知ったのか、
これまでの教え子達が時々ふらりと
顔を出して声をかけてくれたり、

町内会チームのメンバーが
ボールに寄せ書きをして
プレゼントしてくれたり、

例のケーキ屋の夫婦から
お祝いに、と、
イチゴタルトが届いたりして
(チョコプレートの文字は、"祝 結婚"だった。
よかった、恥かくかと思った 笑)

なんとなく、披露宴っぽい雰囲気になり、

改めて、感謝の気持ちで
胸がいっぱいになる。


…みんな、こんな気持ちで
結婚式、挙げてたんだな。

今まで出席してきた仲間や教え子達の
披露宴を思い出し、
その度に、彼らがぐんと男らしく、
頼もしく見えたことの理由が
初めてわかった気がした。

"誰かを守る"という決意は
一生をかけて貫く思い。

その思いを見届けてもらう。

彼らに、恥じないように。
彼らと、同じように。

俺も、守れる男、になる。

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