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ウェディングプランナー(R18) Hi-Q

第16章 指輪



グツグツ煮えた鍋を挟んで
グラスをあわせる。

『すっごーい!これ、繋心が作ってくれたの?』

『まぁ、作るっていうか、切った、ていうか…』

『いいじゃん!ダイナミックで男らしい!』

『…切り方、大きすぎたか?』

『ううん、食べ応えあるわぁ!』

『ものは言いよう、だな(苦笑)』

…アキ姉の左手の薬指には
俺が渡した指輪が光ってる。

『…ね、これ、どうしたの?
まさか、パチンコの景品?』

って言われた時は、さすがの俺もグレた。

『根に持ちすぎ!内緒でバイトしてたんだぞ!』

『そうなの?!知らなかった…
あ、繋心がグレてる。こんな時は…』

席をたったアキ姉が
俺の後ろにまわりこみ
ギュッと抱き締めてくる。

『ごめんね、すっごく嬉しいよ!』

"ごめんね、ギュ"作戦(笑)
いつもやる方だったから
たまにしてもらうと、新鮮だ。
…確かに、なんとなく許せるな、コレ(笑)

『ね、繋心、』

左手を前にかざして眺めながら
アキ姉が言う。

『左手の薬指ってね、繋心の指、なんだよ。』

『なんだ、そりゃ?』

『左手の薬指はね、心臓に繋がってるって
信じられてきた指なんだって。
心に繋がる指。"繋""心"の指、なの。』

『なんか、俺みたいなヤツの名前に
そんな大層な意味がつくのは
申し訳ない気がするのはなんでだろーな(笑)』

『私からも、指輪、あげなくちゃね。
今度、一緒に買いにいこうよ。
あ、それとも、ピアスの方がいいかな?』

『…いや、その由来を聞いたからには、
俺こそ指輪だろ。』

『いいの?一人の自由を放棄する証、だよ?』

『一人の自由は、もう、たくさんだ。』

指輪1つで、こんなに気分が違うとは。
小さな"丸"の威力、スゲーな!!





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