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ウェディングプランナー(R18) Hi-Q

第16章 指輪



『俺達と飲んでねーで、さっさと帰って
キメやがれ~。』

『次に会うときは、報告きかせろよ~!』

…と、
どこか楽しそうな嶋田と滝ノ上に
無理矢理、店を追い出された。

まだ酔ってるほどでもねーのに…

途中で缶ビールを買って、
一人、飲みながら歩く。

家が見えてきた。

俺の実家。アキ姉の実家。
その真ん中あたりに、離れ。

…見慣れた風景の中に、3つの家灯り。


二つの家族。
その真ん中にいる、中途半端な俺達。

俺、アキ姉と、
『家族』になりたいんだろうか?

さっき、嶋田達と話してて、
アキ姉のことを大事だと実感した。
多分、好きなんだとも思う。
正直に言えば、抱きたい。

でも、それと
『結婚したい』という気持ちは
同じなんだろうか?

今の、大人二人、
自由で気楽な生活が心地いい。

"家族を養うために頑張るぞ!"
とかいう気持ちはピンとこねぇ。
バレーを教えるのに都合よく休めるから
実家の店番の仕事は、このまま続けたい。
…今さらサラリーマンにゃなれねぇしな。

ダメだ。
やっぱり、俺、"あの時"から
全然かわってねぇもん…

結局、自己嫌悪に陥ったところで、

『…ただいま。』

玄関を開けた。

『あれ?早かったね?
…なんでビール飲みながら帰ってくんの?
こっわい顔して…
まさか、嶋田君達とケンカでもした?』

『いや、そんなんじゃねぇけど。
なんか…アキ姉に、早く会いたくなった。』

…お、おい、俺!何言ってんだ?

そんなに酔ってないはずなのに、

口が勝手にそう動いて、

両腕が勝手に、アキ姉を抱き締める。

…アキ姉、笑うか?ひくか?怒るか?


『…そうなの?
嬉しいこと言ってくれるじゃん。』


予想外に、
アキ姉は、俺を抱き締めかえしてくれた。

しばらく、そのまま、玄関で抱き締めあう。

風呂上がりの清潔な香りが鼻をくすぐって…

一歩でも動いたら、
衝動が溢れると思う。


どうしよう。


止まるか。進むか。

止まるか?進むか?

止まれるか?進んじまう…か?!


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