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ウェディングプランナー(R18) Hi-Q

第16章 指輪




『ポイントは、』

西谷は、サーブ練で飛んで来る
イレギュラーボールを
器用にレシーブしながら
こう言った。

『烏養さんが相手の人を、
好きになるかどうか、ってとこっすよね。』

『ちょっと待て。俺は今さら
アキ姉を好きになる必要があんのか?』

『必要はないけど、可能性はありますって。
世の中、一目惚ればっかで
成り立ってるわけじゃないっすから。
恋愛の始まりって、
いつくるかわかんないっすもんね。』

…もはや、
どっちが歳上か、わかんねぇ(苦笑)
でも、
西谷の言葉は、いちいち納得いった。

『なぁ、好きになる努力って、
何から始めたらいいんだろな?』

『烏養さん、』

西谷が、キラリと歯を光らせて言う。

『恋は、"する"もんじゃなくて、
"落ちる"もんっすよ。自分で努力して
好きになるなんてあり得ねぇ。
ホントに縁のある相手だったら、
ストンって、穴に落っこちたみたいに
好きになりますって。そう思った時に
"俺、こいつのこと、好きだ"って
素直に認めるだけで大丈夫っす!』

『西谷!師匠と呼ばせてくれ!』

『いつでも相談、のりますから!』

…既に3人の子供がいる西谷。
バレー部の頃以上に、
頼りがいのある男に成長してる。
清水にガン無視くらって喜んでたヤツとは
思えねーな。

…俺にも西谷にも、
同じ10年という時間が流れたはずなのに、
ますます存在感を増した西谷に比べて、
俺は何をして来たんだろうか、と、

頭を抱えたくなった…

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