第16章 指輪
"おすわり"に行って数日後。
バレーから帰ると
えらく茶の間が賑やかだった。
『ただいま…
おー、アキ姉、おばちゃんも来てたのか。
えっらく盛り上がってんなぁ。
外まで笑い声が聞こえてたぞ。』
『あ、繋心、おかえりー!
ねぇ、やっぱ、繋心んちの揚げ春巻き、
サイコーにおいしいわぁ!』
『女だけで宴会か。オヤジとおじちゃんは?』
『二人で、アキちゃんちで将棋。』
…男は追いやられたか、
それとも逃げたのか(笑)
アキ姉とアキ姉んちのおばちゃんと
うちの母ちゃん、3人の女子(?!)トークは
絶好調に盛り上がっているようで、
正直、俺もあの中には入りたくない(苦笑)。
風呂から上がって、
ビールとタバコとスマホを手にとり、
揚げ春巻きとポテトサラダと枝豆を
少し皿に乗せて、
一人で縁側で飲むことにした。
…茶の間からは、
絶えず、大きな笑い声が聞こえてくる。
女って、なんであんなに延々、
盛り上がっていられるんだろーな?
よく話題が途切れないもんだよ。
そんなことを考えつつ
スマホをいじりながら一人で飲んでいると、
アキ姉が俺を呼ぶ声がした。