第15章 100回目のプロポーズ
アキが、ニッコリ笑う。
『いいね!』
…え?
『結婚しよ!』
…今、なんて言った?
『私も、
結婚するならトビオしかいないって
ずっと前から思ってるよ。だから、』
…アキ?
…アキ?!
お前ってヤツはっ?!
空気、読んでくれたのかっ??
それとも、
やっと、わかってくれたのかっ!!!
『生きてる間に、一回は結婚しよ!』
やっと、やっとだ!
Yesの返事、待ち望…
…ん?
生きてる、間?
今、じゃねーのか?
みんな何となく、
納得したような、
よくわからないような、
不思議な表情ではあるものの、
それでもパラパラと起こった拍手は
少しずつ大きくなり、
やがて『おめでとう!』という声も
聞こえはじめ…
なんとなく一件落着、という雰囲気になり…
やっと、俺は、地獄(?!)から解放された。
それにしても、
『生きてる間に一回は』って。
名言なのか?
迷言なのか?!
…いや、どっちでもいいか。
そうだ、急ぐことない。
俺もアキも、
やりたいことがいっぱいある。
追い続けた夢を、ひとつ、掴んだ。
その夢を、
今度は自分の力に…未来に変えていく。
今はまだ何の筋書きもないその未来を
これから自分達で作っていけることが
楽しみで仕方ない。
いつ、会える?
いつ、結婚する?
どこで暮らす?
そんな心配は、いらない。
どこにいても、
何をしててもいい。
相手に誇れるように、
全力で今と向き合うことが一番大事で、
そのための、これまでだったし
これからも、きっと、変わらない。
アキを理解できるのは、俺だけだ。
俺をこんな気持ちにするのも、
アキだけだ。
やっぱり、俺の人生には
アキがいないと!
あとで二人きりになったら、
ギューギューに抱き締めてやるっっ!!