第15章 100回目のプロポーズ
…人に囲まれるのは苦手だけど、
こうして見てみると
俺のバレー人生はこの街で始まったんだと
改めて思う。
イヤなことも悔しいことも
たくさんあったけど、
どの人との出会いも、
欠かすことが出来ない
大事な繋がりだった。
…アキとも。
この小さな街の小さな高校の中で出逢った。
あれから、10年近く。
何度もすれ違ったしケンカもした。
それでも今、
自分の夢を自分でつかみ、
お互いに、心から喜べる間柄で
いられることが嬉しい。
東京に行こうが
ヨーロッパに行こうが
俺のすべての始まりはこの街で、
"帰る場所"といえば、
それはやっぱりこの街のことだ。
…いつでも帰れる場所があるから、
いつだって、
どこへだって、
恐れることなく飛び立てる。
それはきっと
アキも同じ気持ちのはずだ。