第15章 100回目のプロポーズ
アキは寝返りをうったけど
目覚める気配はなく…
そうだよな、
夕べは相当、体力使ったはずだ。
まだ眠りたいだろうけど…
でも、俺は、お前としゃべりたい!
『おいってば!また犯されてーか?』
布団の温もりで
ふんわりと温かい胸を揉む。
…ん?この柔らかさとあったかさ、
何かに似てるよな?
あ!
部活の帰りに大地さんがおごってくれてた
肉まんにそっくりだ(笑)
『おい、肉まん!』
『肉まん…食べる…』
『食べる、じゃねーよ、おい、起きろ!』
薄目を開けたアキ。
『おなか、すいた…』
起きた。
それだけで、ワクワクする。
ダメだ、俺、アキの虜だ。認める。
…でも、悔しいから絶対、言わねー。
『腹、減ったんだったら、これ、食うか?』
いたずら心で、
アキの手に俺自身を握らせる。
『こんなふにゃふにゃ、いらない…』
『ふにゃふにゃだと?ボケ!』
アキが、フフ、と笑う。
『おでんのちくわみたい。
やっぱり、食べる。』
…おでんのちくわ?
やっぱり食べる?
一瞬、頭が混乱したスキに、
布団に潜り込んだアキが
俺をパクリとくわえた。
『う…』
くそ、もう、アキのペースだ。
悔しい。でも…嬉しい…