第15章 100回目のプロポーズ
…目が覚めた。
光が入らないラブホの部屋。
時間の感覚が全くない。
今、何時だ?
枕元のデジタル時計に目をやる。
…7時か…
夕べは、あれからずっと抱き合って…
意識が途切れる前に見た時計は、
4時頃だった気がする。
隣を見ると、裸のままで
気持ち良さそうに眠るアキ。
…そうか。寝顔見るのも、初めてだ。
あどけなくてかわいいな、黙ってると(笑)
でも…かわいいけど、つまんねー。
そうなんだよ。
かわいいだけの女なら、
東京にも山ほどいる。
俺はやっぱり、
笑わせてくれて、
動揺させてくれて、
びっくりさせてくれるアキがいい。
…一緒にいられる時間は、あと少し。
まだ寝かせてやりたいのはヤマヤマだけど、
ここは俺のワガママを優先させてくれ。
『おいコラ、
裸のままで寝てるインラン!起きろ!』