第15章 100回目のプロポーズ
アキが、俺の目を覗きこんで言う。
『どうしたら、いい?』
どうしてもらおうか?
いろいろやってもらいたいことはあるけど…
久しぶりに好きな女を抱く時は、
やっぱり、シンプルが、いちばんいい気がする。
俺の下でよがる顔を見ながら
一緒にイケたら、最高だろ…
『アキ、俺のことだけ、考えろ。』
『…わかった。たくさん、愛してね。』
アキと見つめあいながら、
ゴムをつけた俺自身で一気に突き上げた。
そのまま奥をグリグリと刺激する。
『んぁぁぁっっ…トビオ…そこ…』
のけぞったアキの背中を抱き締める。
『トビオ、好き…』
…吐息のようにこぼれたその言葉が、
また胸に響く。
セックスは、欲望だと思ってた。
でも今は、セックスは愛情だと思う。
『アキ、目、つぶれ。』
そっと指でアキのまぶたを撫でる。
…と、すぐにパチンと目を開けて
口答えしてくる。
『ヤダ。トビオのいろんな顔、覚えてたい。』
『そんなガン見されたら、気が散るだろ』
『でも、普段じゃ見れない表情するんだもん。
見逃したらもったいないじゃん!』
もったいない、って。
相変わらずの好奇心に苦笑する。
『アキ、いつでも思い出せるように
目じゃなくて、心と体で覚えとけよ。』
『心と体…』
『そ。目、閉じると、他の感度が上がるぞ。
見えないものが、見えてくる。』
『…見えないもの、見てみたい。』
『だろ?だから、目、つぶれ。』
閉じたまぶたにキスをおとして…
そのまま、スパートをかけた。
肌に打ち付ける音。
ワレメから響く湿った水音。
絡み合う、激しい吐息。
じっとりと汗をかいた肌。
何度も擦れるアソコ。
締め付け、まとわりつくナカ。
そして、震える心。
…これから、会えない間、
何度でも思い出して欲しい。
俺がアキを愛してるってことを。
途切れ途切れの残り少ない理性で
そんなことを思いながら、
『…アキ、イクぞ…』
『…トビオ…トビオ…ぁぁっ、私も…
イ…ぁぁっ…トビオ…』
…やっと伝えられた、本当の気持ち。
愛情も欲望も、とどまるところを知らない。
朝まで何度も、繰り返し抱き合った。
3年ぶりに会った日に迎えた初めての夜は、
俺達の心と体を繋ぐ、大事な夜になった。