第15章 100回目のプロポーズ
『アキ、今さらだけど、
俺、やっぱりお前のことが好きだ。
3年も放っておいて、
そんなこと言う資格、ねーかもしんねーけど…
でも、3年も離れたから、わかった。
俺、やっぱ、アキじゃなきゃ、ダメだ。』
『トビオ…』
『アキ、お前、いま、男、いねーんだろ?』
アキが、フッと顔をあげる。
不満げな顔で、唇をとがらせて。
『今どころか、
トビオと別れてから、ずっといないよ。
トビオが、魔法かけたまま
いなくなっちゃったから。』
『魔法?』
『メガネと三つ編み。
トビオの前以外ではずすな、って
言ったままだったじゃん。
あれからずっと、あの魔法が解けなくて…』
…アキ…
『…悪かったな。でも…よかったのかも。
おかげでまた、こうやって会えた。』