第15章 100回目のプロポーズ
『触ってみる?』
そう言われて、
目の前のアキを見つめる。
どこに触れたらいいだろう…
こんな気持ちになったのは、
何年ぶりだ?
人生で初めて
セックスした時と同じくらい…
いや、衝動的な勢いがない分、
今の方が緊張してるかもしんねー。
いきなり抱き締めていいもんか?
それともやっぱり、
手を握るくらいからだろうか?
柔らかそうな頬を
両手で挟みたい気もする…
悩むくらいなら、いっそキスしちまうか?
さんざん迷って、
…ツンッ。
人差し指で、
アキのおでこをつついてみた。
ふにゃっと笑った顔がたまらなく可愛くて
そのまま、鼻の頭もつつく。
『うわっ!』
『おぉっと!』
アキがよろけて
後ろにのけぞりそうになるから
あわてて左手を掴む。
…思わずそのまま引き寄せて、ぐっと抱き締めた。