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ウェディングプランナー(R18) Hi-Q

第15章 100回目のプロポーズ


ビルに飛び込み、階段を駆け上がる。

片付けが始まったギャラリーは
さっき来た時と違い、ガランとしていた。

アキの絵が飾ってあった壁も
今は、何もない空間になっている。

受付の花やテーブルを
片付ける大学生が数名。
アキの姿は………ない。

近くにいた学生に声をかける。

『おい、アキ…早瀬さんは?』

『アキちゃん?さっきまでそこいたよね?』

『裏で積み込みしてんじゃね?』

…早く、早く行かねーと。

『う、裏って、どこだ?』

『あっちだけど~、』

『もう出発したかも。』

『あたし、見てきましょうか?』

…クソ、呑気に話してんじゃねーよ!

『いや、俺が行く。どっち?どっちだ?!』

…教えてもらった薄暗い階段を駆け降りる。

一刻も早く行かないと。
ここですれ違ったら、
俺、
一生、後悔する。


パッと開けた視界の前。
ワゴン車に、
丁寧に包まれた作品を積む数人の中に
三つ編みが見えた。

間に合った!

思わず、大きな声で叫ぶ。



『アキ!』



そこにいた数人が、一斉に振り返る。



『トビオ…』


不自然な空気がありありの俺達を見て
アキの仲間たちが気を使ってくれた。

『アキちゃん、こっち、やっとくから。』

アキが、軍手をはずしながら近づいてきた。

『トビオ、どうしたの?』

『アキ…』

何て言ったらいいんだ?

ヤバ…

そこまで、深く考えてなかった…。



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