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ウェディングプランナー(R18) Hi-Q

第15章 100回目のプロポーズ



今日は、その最終日らしく、
もう、なんとなく、
片付けが始まりそうな雰囲気だ。

そう広くはないスペースを覗いてみる。
アキは…いない。

ホッとしたような、
少しがっかりしたような。

『あと15分で終了になりますけど…
よければどうぞ、見ていって下さい。』

受付にいた学生に声をかけられた。
芳名帖に記帳を、と言われたけど、
もちろん、スルー。

俺がここに来た形跡を残すつもりは、ない。

でも、アキの絵だけは、見たかった。

会場に足を踏み入れると…
遠くからでも、すぐにわかる。
名前をみなくても、間違いない。
あれは、アキの絵だ。

相変わらず、
俺は全く、美術には興味がない。
でも、
アキの色は、すぐにわかる。
腕をあげたな、ということも。

あぁ、
アキも、ちゃんと前に進んでる。
それがわかっただけで、充分だった。


帰ろう。
片付けが始まる頃には、きっとアキも来るはずだ。
その前に、帰ろう。

…階段を下りて、ビルを出る。

来てよかった。
アキが元気でいること、
ちゃんと夢に向かって進んでることがわかって、
よかった。

俺も、しっかりしなきゃな。

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