第15章 100回目のプロポーズ
泣いてる。
アキが、泣いてる。
夢を追うことを選んだ自分を責めてる。
…アキの気持ちが痛いほどわかるのに、
どうすることも出来ない、
18歳の自分の無力さを、思い知る。
『夢を追う』とは言ったって、
所詮、俺も親の金で上京させてもらう身。
アキに、"東京に来いよ"って
言えるわけでもないし、
確かな将来を約束できるわけでもない。
"私のトビオじゃなくなって。"
ってことは…
"俺のアキ"じゃなくなる。
…ってことだろ?
アキの望みなら
何でも叶えてやりてーのに、
こんな、
…こんな切ない望みって、あるかよ…