第15章 100回目のプロポーズ
『何が違うんだよ?』
『トビオは…男だもん。
絶対、女の人を抱きたくなる。
それは、トビオの気持ちじゃなくて、
男だから当たり前のことなんだよ…』
『アキ…』
『私のトビオが、
誰か他の女の子の手を握ってるかも…って
私のトビオが、
誰か他の女の子を抱いてるかも…って考えながら
毎日毎日、暮らすなんて、
想像しただけで、
胸がギュウギュウ締め付けられる。
考えただけで、泣ける。
心が枯れちゃう。
目の前が真っ暗になる。
頭の中がドロドロになる。
…生きてらんないよ…
だから、お願い。
"私のトビオ"じゃ、なくなって。
じゃないと私、自分の夢も追えない。
トビオと一緒にいられない道を選んだ自分の事を
後悔してしまうよ…』