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ウェディングプランナー(R18) Hi-Q

第15章 100回目のプロポーズ




…普通の女子なら、喜ぶ。多分。

でも、相手はアキ。
普通の女子と同じような返事は、
返ってこなかった。

『私…絵を諦めるまでは、
トビオのお嫁さんには、なれない。』

『え?なんでだよ?』

『私、絵を描いてる時は、
人のことまで考えられなくなる。
だから間違いなく、
トビオの身の回りのお世話まで出来ない。
そしたらトビオは、
私のこと、嫌いになるでしょ?』

予想外の答えに、言葉を失う。

アキが絵を諦める日が、くるのか?
それは、
俺がバレーを諦めるのと同じことだ。

そんな日が来ることを、想像できない。

でも、そうじゃなければ、
俺たちは、一緒になれない?

…そんじゃ、俺たちは一生、
一緒にはなれないってことか?


『そんな、勝手にダメって決めんな!』

『でも、トビオにはトビオの
夢や目標があるじゃん。』

『当たり前だ!
そのための東京だからな。
インカレ、オリンピック、W杯、
全部、優勝する。
もちろん、日本代表のレギュラーだ。
イタリアにも、留学してーし。』

『でしょ?
私だって、1度くらいは大きな美展で
ちゃんと賞をとりたいし、
いつか、フランスに絵画留学したい。
お金もいるから、大学出たら、
昼は働きながら、夜、絵を描かなきゃ。』


…それぞれの夢を追うためには、
俺たちは一緒にはいられないのか?


そしてアキは、
さらに衝撃的な言葉を続けた。




『トビオ…私たち、今日で終わりにしよう。』





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