第15章 100回目のプロポーズ
部活の後、
二人で歩いて帰った。
『大丈夫か?痛くねぇか?』
『ちょっと違和感はあるけど、平気。』
『なんか、あんま、雰囲気とかなくて…
悪かったな。』
…一応、謝る。
『あ、そんなこと全然。むしろ感謝してるくらい。』
『感謝?』
『トビオがもらってくれなかったら、私、
一生、処女だったかもしんない。
しかも、初めてキスした時とおんなじ、
一番好きな場所でなんて、最高の贅沢!
それにさぁ…』
『なんだよ。』
『私、セックス、嫌いじゃないかも。
トビオ、いつもより表情がいろいろで
見てて楽しいもん。』
『女子が、んなこと言うな。
また犯すぞ!…てかお前、
やりながら人の顔、観察すんの、やめろ!』
『えー?!もったいない…』
…ホント、想像もしないことを言うヤツだ、
と思いながら、
相変わらずメガネに三つ編みの横顔を見る。
あ、ヤバイ。
可愛く見える。
ってか、アキは、改めて、美人だと思う。
顔も性格も、ちょっと(?!)個性的だけど、
裏表がなくて、ストレートで。
俺にとっては、すごく付き合いやすい。
…そうだ、これだけは言っとかねーと。
『アキ、お前さ、』
『なに?』
『俺以外の男の前で、
メガネはずしたり、髪ほどいたりするな。』
『なんで?』
『なんででも。』
『へんなトビオ。』
『ヘンでかまわねぇ。』
…他の男が、アキの可愛さに気づいたら大変だ…
『トビオ。』
『あ?』
『私のこと、大好きなんだね。』
『……』
『ね。』
『ウルセ。』
『トビオ、カワイイよ。』
『ウルセっつってんだろ、このボケ!』
…"大好き"とかいう
甘い感情かどうかは、わかんね。
でも、"ハマった"のは、
確かだ。
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