第15章 100回目のプロポーズ
今でこそ、
こんなに甘え上手なアキだけど、
最初のセックスは、
ほぼ、ケンカ状態だった…
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初めてアキを抱いたのは、
高校三年になる前の春休み。
高校生がセックス出来る場所って
本当に、少ない。
俺の家もアキの家も、
母親が専業主婦だったから、
どっちかの家、ってのも難しく…。
結局、
ファーストキスの時と同じく、
美術の準備室だった。
部活前に一緒に弁当を食べようと
美術室に顔を出したら、
アキが一人で、
石膏像を片付けようと抱えて運んでて。
それがまるで、
男と抱き合ってるみたいに見えて
ムラムラしてしまって…
今思えば、アホみたいだけど(苦笑)
そのまま、誰もいないのをいいことに、
準備室に連れ込んだ。
最初のうちは抵抗してたアキの目が
キラリと光ったのは、
俺がシャツを脱いだとき。
『へ~、筋肉って、
本当にこんなふうについてるんだ~』
とか言いながら、
興味津々な顔で、
俺の体を指でなぞってきやがる。
それは純粋に、絵の素材として、
生身の男と石膏像を比べてるだけ。
別に、俺の裸に興味があるわけじゃない、
とわかっちゃいるけど、
中途半端に触れたり動いたりする指が
たまんなくなって…
そのまま、床の上に押し倒した。