第15章 100回目のプロポーズ
両手でアキの頬を挟んで
舐めるように、キス。
時々、唇を離して、顔を見る。
…目をつぶって、
唇を半開きにしている顔は、そそる。
久しぶりのキスだ。
舐めて、吸って、絡めて、食んで。
溶けてなくなりそうなくらい、味わう。
…俺だけの、唇。
うっすらと目を開いたアキが
惚けたような顔でつぶやく。
『…んぁぁ、トビオのキスだ…
熱くて、溶けそう…』
溶けそう…だって。
俺とおんなじこと、考えてる。
やっぱりコイツは、俺と、似てる。
アキのことを独占してる気がして
ますます欲しくなる。
『溶けるのは、まだ、はえー。
久々だから、じっくり味あわせろ。』
『ん。』
一言だけ返して、また目をつぶる。
そして、甘い声で、言うんだ。
『…トロトロに、して…』
心臓が、跳ねる。
…おねだり上手になりやがって。
もう…
もう、メチャメチャ、欲しい。
アキといると、
自分が自分でなくなる。
つきあい始めた時も、そうだった。
俺をこんな気持ちにするのは、
…アキだけだ。