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ウェディングプランナー(R18) Hi-Q

第15章 100回目のプロポーズ



~そこまで思い出したときに、
アキが声をあげた。

『ん!でかした、トビオ!
ここのアップルケーキ、
すっごくおいしいんだってば!
ね、一緒に食べよっ。』

引き出物の中の物を
一つ一つ、取り出して見ていたアキが
赤い箱を持って、嬉しそうな顔でキッチンへ行く。

…俺たちの思い出話は、また後で…

『トビオ~、何、飲む?』

『何がある?』

『んーとね…』

アキの後を追って、俺もキッチンへ。
冷蔵庫の中を覗き込んでいたアキ。

『麦茶とコーラと牛乳。』

『じゃ、熱いコーヒー。』

『えー?お湯、沸かすの、面倒くさい…』

『あのさ、俺ら、久しぶりに会ったんだぞ?
もちっと、優しくできねーのかよ?!』

『だって、早く食べたいじゃん。』

『それを言うなら、俺はこっちを、早く食いてぇ…』


アキの腕をグッとこっちに引き寄せて
そのまま俺の腰に両手をまわさせる。

『トビオ…アップルケーキが…』

『うるせぇ、ちょっと黙ってろ。』

アキの唇を塞ぐ。

あぁ、久しぶりだ。
甘くて柔らかな、コイツの唇。

…俺の、唇。

『アキ、
久しぶりに会った時は、何て言うんだっけ?』

『…トビオ、逢いたかった…』

『じゃ、久しぶりにキスした時は?』

『…トビオが…欲しい…』

わがままで、自分勝手なコイツが
そうやってお願いしてくるのがたまらなくて、

今日まで、遠距離恋愛が続いてきたようなもんだ。

俺たちだけの、挨拶。

そして、
短くて濃い、
"二人の時間"が始まる。

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