第15章 100回目のプロポーズ
なんというタイミング、というか…
それから間もなく、
新しく始まった委員会活動の当番で
ペアを組むことになったのが、
アキだった。
『3組の早瀬です。影山君、よろしくね!』
初対面だというのに、
いきなり握手を求めてくる。
…外国人じゃあるまいし。
しかも、結構な握力で。いてーよ…
『早瀬?…ってことは、アキ?』
『そうだけど…いきなり、呼び捨て?』
『いや、名前だけ知ってたから。』
眼鏡に三つ編み。
見るからに、文化系女子のビジュアル。
(しかも、ちょっと昔の。)
『影山君が私の名前知ってるなんて、
ちょっとびっくり。』
『あの、指導室前にある絵を描いた早瀬だろ?
そっちこそ、何で俺の名前、知ってんだ?』
『それこそ、有名人だもん。同じセッターなのに、
青城の及川先輩と違ってゼンゼン愛想がない、って。』
『…なんだ、それ…』
『ま、いいや!
バレー部も忙しいだろうけどさ、
それはこっちも一緒だから。
放課後の当番はちゃんとやってよね!
私、そういうの、うるさいから。
影山君だからって、特別扱いしないよ。』
『特別扱い?んなこと、されたことねーし。』
『サボったら、あたし、
バレー部まで迎えに行くからね!』