第14章 祝福の拍手
大学3年の春。
初めて彼女が出来ました。
アルバイト先の先輩に紹介された
近くの大学の1つ後輩。
…先輩に紹介されたから断れなかった、
ってわけじゃないけど、
断る理由がない、って感じの始まり。
二人で遊びに行ったり
ご飯食べに行ったりして、
1ヶ月くらいでキスして
3ヶ月くらいでセックスした。
…これって、ペース的にどうなんだろ?
ま、いっか…
でも、俺、夏休みに、
彼女を青森に残して、
実家に帰省しちゃったんです。
理由?
1つだけ。
早瀬さんに会いたかったから。
だって、一年前の夏休みに
『また練習おいでよ』って
声かけてくれてたんですよ。
俺にとって、その言葉が
どんだけ嬉しかったかってことです。
結果、それがきっかけで、
後輩とは秋に別れました。
…俺が悪かったと思います。
付き合い始めて最初の夏休み、
どっか、泊まりで旅行とか
行きたかったんだろうな、って思う。
でも、俺、
手の届く彼女と過ごす時間より、
手の届かない早瀬さんとの時間を
選んでしまったんですよね。
俺って、バカかな?
身の程知らずの痛いヤツかな?