第14章 祝福の拍手
大学に入って最初の夏休み。
…今のところ、彼女はまだいない俺です。
まだ、学校生活、始まったばかりだしね。
で、暇もあったしちょっと里心もついて
夏休み、帰省してみました。
あれ?
みんな、それぞれの生活、満喫してるの?
実家に帰ってきたの、俺だけみたい…
遊ぶ相手がいなかったので、
高校の頃、
ジャンフロの特訓につきあってもらった
シマダマートの嶋田さんのところに
顔を出してみたんです。
『おお、忠!いつまでこっちいんの?
2週間?じゃ、その間、練習来いよ!』
…嶋田さんや烏養コーチ、そして今は
東峰さんも入ってる"町内会チーム"。
俺らが高校の頃にも
何度か練習相手になってもらったり、
試合の応援に来てもらったりしたから
顔見知りも何人かいるし、
何より暇だったから、
練習に顔を出してみたんです。
そしたら。
ズキュンです。
一目惚れです。
町内会チームのマネージャー、
早瀬さん。
かわいくて、
さわやかで、
元気がよくて、
よく気がついて、
でも全然気取ってなくて、
いつもケラケラ笑ってる。
スポーツ漫画に出てくるような、
テッパン要素が勢揃いのマネージャー。
ヒマワリみたいな眩しさの
チームみんなのアイドル。
俺には到底手の届かない高嶺の花。
…見てるだけで幸せ、って、
こういう気持ちのことを言うんだな…