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ウェディングプランナー(R18) Hi-Q

第13章 嫁ぎの紅(べに)




私たちの結婚式は、
偶然、両家の両親がどちらも挙式した、
というご縁繋がりから
地元の大きな神社で
神前式にすることにした。

披露宴会場の着付け室で
日向君は黒の紋付き袴、
私は白無垢を着付けてもらう。

準備もほぼ整った時、
プランナーさんが迎えに来た。

『アキさん、
お隣の部屋に移動していただけますか?』

『え?あ、はい…あの、私だけ?』

着付け室の隣には、小さな部屋が。

『こちらでお待ち下さい。』

…椅子に座って待っていると、
間もなく、プランナーさんに連れられて
母が入ってくる。

『お母さま、アキ様、
本日は誠におめでとうございます。
これより、
"嫁ぎの紅"の お時間をとらせて頂きます。』

『トツギノベニ?』

『はい。
日本に伝わる、結婚式の儀式の1つです。
古来より、赤、という色は、
魔除けの力があるといわれております。

花嫁への魔除け、
そして、
縁結びや血の繋がりを表す赤い口紅を、
お母さまから花嫁様の下唇に
塗っていただいて、

花嫁支度の仕上げを、
お母さまにしていただくんです。

10分ほどしましたら
お迎えにあがりますので、
それまで、どうぞ、
お二人でゆっくりお過ごし下さい。』


…そう言うと、
母に貝殻型の紅入れと、
真新しい紅筆を渡して、

プランナーさんは部屋を出ていった。



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