第13章 嫁ぎの紅(べに)
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『チビちゃん、うまくやってっかな?』
『んー?光太郎、なんか言った?』
『いや、前に話したじゃん、
プロポーズしたいって相談してきた後輩の話。』
『あぁ、バラの花束の彼ね。
ホントに108本、持ってったのかな?』
『持ってっただろー。
俺が伝授したサプライズ、
うまくいったかなぁ、と思って。』
『今日なの?』
『おぅ。もう、一時か…
今頃、ラブラブタイムか?
ん…想像したら、俺もラブラブしたくなってきた。
よし、うちもあの頃を思い出して、
今日は"新婚プレイ"しよーぜ!』
『なによ、それ(笑)』
『いいから、こっち来いよ!』
『あぁん、光太郎…』
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『日向と早瀬、どーしてるだろな…』
『ちから君、なぁに?』
『俺と雪乃の結婚式で出会ったカップルが、
今、まさにプロポーズしてるはずなんだ。
ちょっと気になってさ。』
『ホント?うまくいくといいね!
私たちから繋がったカップルがいるのかぁ。』
『そ。スガさんの結婚式で出会った、
俺たちみたいにね。』
『プロポーズ…彼女、泣くかな?』
『どうだろな。
そんなキャラの二人じゃないけどな。』
『ちから君…思い出すね、私たちのこと。』
『ん…雪乃…ベッド、行こうか…』
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『律ちゃん、おめでとう!』
『今日まで女手1つで、よく頑張ったね。』
『あの泣き虫律ちゃんが…』
『今日までのこと思うと、
私達まで泣けちゃうわね…』
『絵美さん、みんな、ホントにありがとね。
これで、天国の彼に、顔向けできるわ。』
『でも、まだまだ
彼のところには行かせないわよ!
自由になったからこそ、
この世をたっぷり楽しみましょ!』
『アキちゃんの幸せと
律ちゃんの子育て卒業に、』
カンパ~イ!!!
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二人の幸せが、
誰かの気持ちを暖かくしていることを
当の本人たちは、知らないのだけど…
幸せが
隣へ隣へと
広がっていって、
最後はみーんな、
赤い糸で繋がるのかも
しれません…
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