第13章 嫁ぎの紅(べに)
ガランとした玄関に残った私と日向君。
『ねぇ日向君、
今の"おばちゃんズ"も日向君のサプライズ?』
『ううん、今のは想定外。』
『…びっくりしたね。』
『うん、びっくりした。
でも、やっぱり、律子さんのこと
大好きだって思った。
本当に、
アキちゃんの幸せを1番に考えてくれる、
最高のお母さんだね。』
『…うん。
ちょっと面倒くさいけど、最高の母。
それに気づかせてくれたのは、日向君。
私、今、本当に幸せ。』
『あのさ、アキちゃん、
プロポーズの返事、まだ、聞いてないんだけど…』
『日向君。』
『ん?』
『私のことも、おかーさんのことも、
好きになってくれてありがとう。
…何も出来ない私だし、
あんなに騒がしい母だけど、
ふたりとも誰よりも、いつまでも、
日向君の一番のファンだよ。
これからも、ずっと、
よろしくお願いします。』