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ウェディングプランナー(R18) Hi-Q

第13章 嫁ぎの紅(べに)




ヒューン…カタン…ヒューン…カタン…

新幹線って、こんな音、するんだっけ…
いつも、おかーさんと喋ってたから
気にしたこと、なかったや…

一人で東京へ向かう道のりは、
長く長く感じられた。

いつもは横にいる母が、いない。

縁下君の言葉を思い出す。
『日向は当分、東京で暮らすんだろ?
じゃ、早く結婚した方がいいんじゃね?』

…私が結婚して東京に出たら、
お母さんは、一人だ…

考えたこともなかったけど。

産まれてからずっと、
私のそばには、いつも母がいてくれた。
その母を一人にできる?

…ま、まだ
プロポーズされたわけでもないんだけども…

そんなことを考えながら東京へ到着。
初めて一人で日向君を応援する。

日向君は、とても輝いていた。
憧れの全日本との対戦。
日向君だって、ちっとも負けていない。

日向君の憧れを現実にするために、
そばで支えてあげたい、とも思う。

おかーさん。
日向君。
どっちも大事。
比べられない。

コートの中の日向君が活躍するたび、
横でおかーさんのいつもの歓声が
聞こえるような気がするのに…

おかーさんは、ここには、いない。

その日はずっと、
心が揺れたままだった。


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