第13章 嫁ぎの紅(べに)
遠距離恋愛って言っても、
毎日、電話やLINEで連絡とりあうし、
1日でも休みがあえば
お互いのところへ行って
少しでも一緒に過ごすようにしてたから
そんなに"離れてる~っ(涙)"
っていう気はしなかった。
それよりも…
日向君はバレーボール選手として
ぐんぐん、成長している。
確実に注目度もあがっていて…
新聞や雑誌で日向君の名前を見られるのは
すごく嬉しいんだけど、
その反面、
私なんかが相手でいいのかな、って
思うことも増えて…
この間、
ディズニャーランドでデートしてたら、
ファンの子が日向君に話しかけてきた。
一緒にいた私を見て、その子が
『彼女ですか?』って聞いてきた時、
日向君が一瞬も迷わず
『そうだよ、今、デート中。』って
答えてくれたのは嬉しかったんだけど、
その子の残念そうな顔が忘れられない。
日向君は私の彼だけど、
応援してくれるファンのみんなの憧れでもある。
私の存在って、許されるのかな?
日向君は
『当たり前じゃん!』って言ってくれたけど、
私は、自分の存在が、
日向君の大好きなバレーを続ける上で
邪魔になるんじゃないか、って
その時、初めて、思った。
…人前で一緒にいるのは、
控えたほうがいいのかな…